Magnuデザイナー伊藤卓哉さんインタビュー③
GOOD4THREEイマエです
今回もデザイナーインタビュー
Magnuの伊藤卓哉さんに話を伺っていきます
伊藤さん今日もよろしくお願いします
伊藤:お願いします
今栄:僕のECサイトGOOD4THREEでは
十年以上大切にできるアイテムを紹介してるんですけども
視聴者の方からMagnuのカバンについてメンテナンスはどうしたらいいですか?って質問があったんです
アフターケアについてちょっとお話を聞いてもいいですか?
伊藤:まず私も一番お客様から質問があるのが、汚れを落とすのをどうしたらいいか?っていうお話があります
特にあの鞄の角だとかこういう小物だったら手で持ってるところとかが少し黒く汚れてくるんです。
こういう角の汚れみたいなのはまずは簡単な汚れだと水だけで落ちるので、これはこう柔らかい歯ブラシなんですがそれを水に浸けていただいて軽く本当に軽く当ててこすると、ちょっと水が泡立ってきますからそれを布で拭いていただくと汚れが取れます。
このしわの中にも汚れがたまってたりするのでそれを取ることで
ブラシを掛けることで中の汚れも浮き出してくるのでそれをまず拭き取るっていうことですね。
この柔らかい実際の柔らかい歯ブラシなんですけど、柔らかい方がいい。
新しいうちは少しコーティングがかかっていて色落ちもしないんですけどあんまり強く擦るとそのコーティングが取れてしまいます。
あんまり強く押さない方がいいっていうことですね
あとこういう市販のレザークリームがありますからこのクリームは汚れ落とし兼保湿剤みたいなのが入っているので、ちょっとしつこい汚れは
これでやっていただくと汚れも落ちるし、その後の保湿クリームの役目もあります。
方法としてはその二つの方法があります。
もう十五年目を迎えたので初期の頃に購入された方が例えばトキオトートのパイピングの皮が切れてしまったり、裏地が汚れたので裏地を交換してほしい。
そういうご依頼がこのアトリエに来ています
このモデルはその修理前のモデルなんですけどこういう風なところがこう切れてしまってこのパイピングをぐるりで変えて交換したり、このハンドルのところのパイピングもぐるりで交換したりすることが可能です。
また内側の裏地でよくあるのが、インクをこぼしてしまったとか中でジュースをこぼしてしまったとかっていうのを我慢して使ってたんだけど、
それも修理交換ができないかっていうご相談もよく受けます。
それもまあ裏地を総取り替えすることも可能です。
でもそこそこ費用がかかるので一度そういうご要望がある方はアトリエに相談してみてください。
一応現物を見させていただいてだいたいの見積もりをお伝えして進めることにしています。
今栄:ありがとうございます
長く使ってもらえるっていうのはブランドにとっては嬉しいですね。
伊藤:そうですね。
もう十年以上使ってくると今お見せした黒はそんなには革がよれてくるぐらいなんですけど、薄い色だとかなりハンドル周りが黒く汚れてたりもするので、その部分だけ革を張り替えたり新しいパイピングにはなるんで
まあ修理した時にはちょっと目立つかもしれないけど使ってるうちにだんだん慣れてもくるし、それよりももうボロボロっていうかとろとろになってるのに
それをまだ使いたいっていう風に言ってもらえる
最初に思っていた言葉なんですけどその相棒になるみたいな。
これを持ってると気分がいいとか
これ持ってないとなんか自分らしくないみたいな感じがお客様の話から聞けるのでそれが修理を受けてて嬉しいことでもありますね。
今栄:相棒って言葉出ましたけどやっぱり長く大切にするっていうのは
革製品だとやっぱその人が使ってた痕跡っていうのがそこに残る。
修理出してもらって「あーこういう風に使ってくれてるんだ」とか
クセが分かったりする
伊藤:そうですね
だからその人なりの物になってるのでそれがもうきれいとかその汚れてるとかっていうことよりも、その人の生活だったりファッションだったりする中に
馴染んでいるのでそれがなんかとても嬉しいですね。
今栄:素敵な話色々ありがとうございました。
伊藤:ありがとうございました。
今栄:今日最後にまた一つ商品を紹介していただきたいんですけど
伊藤:このちょっと変わった形してるのが名前はストマックショルダーっていいます。
要は胃袋みたいな形なのでそういう言い方をしています
ストマックショルダーのスモールって言って小さい方のサイズになります
これももうそうだなそれでも初期の頃なのでやっぱり十四年選手みたいな感じになると思います。
使い方は基本的にこうやって肩にしょってもらうもしくは斜め掛けしてもらうとちょうど背中から前に回した時にここがちょうどいい小銭入れみたいなポケットになります。
で右利き左利きがあるので左側にも同じようなポケットを付けています。
これで皆さん喜んでるのはメインファスナーがこれが背負っていると
ちょうど背中に隠れちゃう。
皆さんヨーロッパに旅行に行かれた方は経験あると思うんですけど、電車とかバスに乗っていると鞄の中に手を突っ込んでくる人もいるので、メインファスナーがこう体に隠れてしまうっていうことがいいって言ってくれるお客さんもおられます。
使い方としてもう一つはこういう形で肩にかけたり手で持ったりするような
このサイズをこういう使い方をされている方もおりますので、それはもう皆さんで楽しんでいただければと思います。
この革の特性っていうか柔らかいのにある程度しっかりしてる
それと手で触った時の少しカリッとしてるって言うかこう乾いた感じっていうのがこの形を使ってると楽しめる
手でも触ることになりますから。そういうアイテムでもあります
ちょっと変わった形なので最初とっつきにくいかもしれませんが、使ってるととても愛着のある鞄になってなにかその人なりの雰囲気になるんじゃないかなと自分では思っています。
今栄:これもMagnuらしいというか、他には見ない。
でも多分持ってる分にはシンプルに不思議に見えるんですね。
このシリーズって金具も独特な形で個性的なんですけど金具についてちょっと紹介してもらってもいいですか?
伊藤:オリジナルで作ってるのがこの引き手だとかバックルだとかコインになります。
オリジナルの金具に関しては真鍮で作っています。
黒に関しては黒に焼いて塗装しているものもあるんですが、基本的にはこの真鍮ゴールド鈍く光る真鍮のゴールドを合わせるようにしています。
鉄の合成の中で真鍮っていうのは少し柔らかくてしかも表面があの完全にきれいにならないぶつぶつ上で上がってきます。
これは泥の型で起こしているのでで磨いてつるつるにするんですが、完全に磨ききらないで少し表面が残すようにまずは仕上げています。
それとこの引き手は枝引手とかこれ枝バックルって呼んでるんですが、
全然枝みたいな形じゃないんです。
昔見たディズニーの映画で子供の魔法使いが枝を持って、
あのカボチャを馬車にしなさいっていうシーンがあったんですが
その時に下手くそなもんだから枝が曲がっちゃって終わっちゃった子がいたので
「あ‼そうだ」
枝を曲げてみたいなと思って。
枝を曲げると必ず折れちゃうので真鍮でそれを表現してみました
このバックルも枝をこう曲げていって作ったみたいなイメージです。
ここのコインは昔見た貴族のお洒落な王子様が狩猟に行く時のツイードのコートのボタンを薬莢の一番底のところの蓋を加工してボタンを作った。
っていう話を聞いたことがあったので
なんていうかな?
廃物利用みたいな感じで素敵だなと思って
こういう真鍮のコインも全部旋盤で削り出して一個一個作っています。
今栄:ありがとうございました
伊藤:こちらこそありがとうございます
今栄:今回3回に分けていろいろお話を伺ってきて僕も聞いたことがある話もあったし、初めて聞いた話もあったんですけど非常に面白かったです。
デザイナーさんがどうやってものを作っていくか?
Magnuっていうブランドの不思議な感じが見てる方に伝わればいいなと思いました。
今回ありがとうございました
伊藤:ありがとうございます
Magnu designer インタビュー①
https://good4three.com/blogs/magnu/magnu_designer1
Magnu designer インタビュー②
https://good4three.com/blogs/magnu/magnu_designer2
Magnu designer インタビュー③