2023年 11月 30日
Magnuデザイナー伊藤卓哉さんインタビュー②
GOOD4THREEイマエです
今回もMagnuの伊藤卓哉さんに
デザインについて
いろいろ話を伺っていきたいと思います
よろしくお願いします
伊藤:よろしくお願いします
今栄:アトリエにわざわざ商品を買いに来る方もいたこのブランドなんですけど、スタートして何年目ぐらいなんでしょう?
伊藤:たぶん15年目になると思います
今栄:15年続いてるのはなかなか凄いですよね。愛されてるっていうことですね。
伊藤:あんまり実感はないです。よくやってきたなと思ってます。
今栄:その15年経ってるって事なんですけど、そのブランドのスタートのきっかけ教えてもらってもいいですか?
伊藤:私は基本的には洋服のデザイナーでそれでカバンを作ってるわけですけど、その当時は洋服がメインで仕事してました。
弟が鞄のデザイナーだってこともあって鞄には興味があったんですけど、服のスタイリングを作る中の一部の道具。
その中の一環として鞄のデザインも見様見真似でやってた経緯があって、
そしたら鞄の職人である社長がなんでみんなは良いって言ってんのに、なんでちゃんとやんないんだって言ってすごい怒られて。
そうそういう風に見られてたのかと。
そこでもう一回認識をしてじゃあちゃんと自分で作ったブランドで初めてみましょうという。
その職人の社長の後押しもあって恐恐スタートしたという感じですかね。
今栄:15年前に伊藤さんがデザインする時、このカバンをデザインするときにまずどこからスタートするんですか?
伊藤:それはバイヤーさん達とか話した内容にもよってくるんですけど、
こんなカバンが欲しいということよりも今こんな気分だよねっていうところが大きくて、
あとは自転車に乗りたくなったとか
カフェに行きたくなったとか
それとかコートを着たくなったとか
なんかそういうファッションとしての気分だったり、世の中の気分にも関わってくるんだろうけどそんな話をしながら
ショルダーにしようかとかトートにしようかとか
ポーチにしようかっていう話が出てきて作り込んでいくみたいな
ことが多いしそれが楽しいですね。
今栄:伊藤さんは実際の商品にするまでに、あの模型というかちょっと独自だなと思うんですけど、この紙でデザインするってのが普通の鞄屋さんと違うデザインを産んでる原点だと思うんですけど
普通のいわゆるカバン屋さんっていうのはこういう模型とか作る作り方全然しないんですか?
伊藤:やってる人はいると思うんですけれどもやっぱり世の中であまりない形を作り出して、それを例えばオーダーのお客さんにお見せするとなるとなにがしかのサンプルを作らなきゃなんないので、
僕の場合はそれを最初に紙で起こして、紙でかなりパターンを練っていってそれで最終的に1回革でサンプルを作る。
それを最終的に見ていただいてもう1回本番で作るっていう。
オーダーの場合はそういう流れにはなるんですけど、自分のブランドのアイテムだとするとその革の模型を作って、そこから一回職人に渡してうちの革で一回サンプルを作ってもらう。
そこからまた修正もある時もあればそのままでも製品になる時もあると思うんですけど、
そこの微調整はかなり綿密にやってるっていう感じですかね。
今栄:紙模型でちょっとずつ修正していく過程で普通の鞄屋さんとか鞄のブランドには無いようなフォルムというか?
伊藤:そうですね。
そこはほとんどがやっぱり職人にお任せになっていくので、職人も今まで従来のこういう鞄とかこうゆうトートとかっていうのが当然自分がしてきた仕事の中で頭にあるので、自分のスキルの中で収めようとするんだけども僕のが来ちゃうと困っちゃうわけですよね。
今までのスキルをそのまま使えないのでなんか似たようなこと言われるのだけど、違う料理を要求されてるみたいなことにたぶんなってるんだと思うんですよ。
だからそれをやってくれる工場っていうか職人と巡り会えたっていうか
このスタイルを理解して一緒にやってくれる人がいたっていうのが、
今のマヌーのそのMagnuらしいって言っていいのであれば、そこがもしかしたら原点かもしれない
今栄:伊藤さんのデザインってなんかパッと見がシンプルに見えるじゃないですか。
あのシンプルなデザインだなって見えるけどよく見るとほんの少し傾いてたりとか、ほんの少し角度がついてたりとか
独特な明らかに他の鞄と違う佇まいというか・・・
それが見えるのってあれですよね
土を練って器作る作家さんみたいな
伊藤:そうですね
だからこの模型にしても一個しかここには捨てるもんだから残ってないけど。
そうだな。このときも8個ぐらいは作ったと思うので、
これをもって鏡の前に立って自分が持って立ったり、女の人に持って立ってもらったりして言わば仮縫いですよね
仮縫いみたいなことをしてずっとこう形を攻めていくっていうか
あの気になるところをこうずっと削っていくような感じで
それはもうほんとに洋服のを仮縫いと
もしかしたらかなり近い作業っていうか近い緊張感かもしれないです。
一人でやってることなんですけど。
今栄:ありがとうございます
今日も貴重なお話ありがとうございます
伊藤:ありがとうございます
今栄:最後にひとつだけまた商品を紹介して頂きたいんですけど
伊藤:はい。これも前回紹介したトキオトートと同じ時にデザインしたものです。
だからこれももう15年選手になると思うんですが、ケッグポーチっていう名前にしてます。
ケッグってKEGって書くんですけど小さな樽って意味です。
この形がサントリーのオールドの瓶みたいに見えたので、
あれは僕らの世代だとタルって言い方をするんで
「樽」小さな樽っていうのを辞書でひいたらKEGって出てきたんでKEGポーチって名付けましたね
元々はトキオトートのインナーバッグとして作られていて、あの後この中に長財布を入れトートの中に置いといてこれだけ引っ張り出しては、
ちょっとご飯食べに行ったり
ランチに行ったりするように設計したものです。
形がなんかあの時は自分で独特だと思ってなかったんですけどなんか独特な形になって、インナーバッグっているよりも単体で動くようになりましたね。
これは男の人が買ってることが多いんですけど、これにショルダーを付けてショルダーバッグとして使うっていうこともこのあとバージョン違いで出てくるので、これもMagnuのシグネチャーアイテムっていうことになります。
今栄:このアイテムも男女問わずたくさんのリピーターの人もいるぐらい
伊藤:そうですねあのーこの形だけを集めてらっしゃるお客様もいて十何色これ持ってる人もあの現れてとても面白い事だなーと思ってます。
究極に何もいじるところがなくて今のところはこれから派生したも出れば色々出てるんですが、これがMagnuのもう一つのテーマっていうかポーチっていうことになります。
今栄:今日もありがとうございました。
伊藤:ありがとうございます。
今栄:またの次回次最後になると思うんですけどまた話を伺っていきたいと思いますのでお願いします。
伊藤:はいよろしくお願いします。
Magnu designer インタビュー①
https://good4three.com/blogs/magnu/magnu_designer1
Magnu designer インタビュー②
https://good4three.com/blogs/magnu/magnu_designer2
Magnu designer インタビュー③