【デザイナーインタビュー】ITTI WATARU AOKI氏 

GOOD4THREEでも人気のITTIのデザイナー

青木渉さんにお話を伺いました 

 

 

Q,ブランド名の由来を教えてください

 

A.前身のブランドを卒業し新たにブランドを始める時に、

じつはいろんなバイヤーに相談したんです。

 

まったく違うイメージだと分かりにくいとなり、ニュアンスは残すことに決めました。

 

また当時はカバン専門店や百貨店にも一部卸していたのですが、ファッションのお店にだけに絞ってファッション性の高いものしたかったので

 

「ブランド名の文字並びが美しいデザイン性のあるもの」で考えました。

 

ITTIという直線だけで構成されて神社の鳥居にも見える左右対称シンメトリーのブランド名はシンプルで他にはあまり見られないものになったと思います。

 

Q.今回のクロコダイルも他のブランドと違うモードな雰囲気もありますよね。しかも驚くほど安い!

 

A.はい。昔からあるギラギラとした年配の方向けのものではなく、日常のファッションに合う現代的なものを意識しています。

 

また1枚1枚を革の個性と財布のサイズのバランスを考えて、1点づつ自分で裁断しています。

 

職人さんにお願いするといつも同じ真ん中を使ったりするのですが、

そうすると個性が消えて型押しのような、よく見る平凡なクロコダイルに見えてしまう。

「この部分がカッコいいのに・・」という部分を捨てられる時もある

 

私自身はエッジに近い動きのある部分もクロコらしくて好きなので、一つ一つが1点ものとして財布にしたときをイメージして自分の感覚で切り抜いています。

 

それを自分でやることで結果的に良い価格で出せています。

 

Q.KUROZAN、AIZANについても教えてもらえますか?

 

A.あたらしい個性的な革を探していたんです

ここ数年で漆を塗った革は多く出回っていますが、どれも革の凹凸のトップの部分だけに漆を塗っているため、艶っぽすぎる仕上がりになりがちですが、黒桟革は1回塗って36時間以上乾かす事を9回以上繰り返すんです。そうすると少しずつしみ込んだ漆の色がトップの部分に浮き上がってあふれ出てくる。そこで止めることで、ただ全体がつやつやになるのではない独特なニュアンスになる。

 

これは武士が革の鎧にもともと使われていたもので刀を通さない強度をつくるための古来から続く技法なんです。

 

ベースの下地は鉄で黒を入れていく(KUROZAN)が基本の色で、AIZANは職人さんが工房に藍染の槽をつくって手作業でやっています。

 

手間暇かかる藍染をベースに染めてそこに漆を入れていくので革の奥が藍染でトップが漆という非常に手間のかかるのがAIZANです。

 

海外の素材が一流と言われてる中で世界に通用する日本でしかできない匠の技だと思います

 

実際、海外からこれを買えないのか?と言われたりします。

 

Q.コードバンも人気なのですがこの素材を選んだのは?

 

A.コードバンは有名なのだとホーウィン社のシェルコードバンとかイタリアや日本の老舗コードバンなどがありますが、ホーウィン社のは表情があってワイルドなイメージ。イタリアのコードバンは透明度のあるもの。日本の老舗コードバンは百貨店などで出ている非常にきれいな感じ。

 

前はイタリアのコードバンを使っていたんですが、レーデルオガワさんのは透明度があるのに表情もありエイジングも楽しめる。ちょうどコロナで在宅ワークが増え、時間ができた頃に見つけて工場に行きました。

 

工場もきれいに整っていて、とにかく黒を見て驚きました。言葉で伝えにくいのですが

他にはない「透明度のある黒」なんです。

 

実際、イタリアの有名な職人がその技術を学びに来るそうで、イタリアの革屋でレーデルが作ってるものも売られているそうです。

 

仕上げの蜜蝋もオリジナルで岐阜の天然ものを使ってるのですがそれがまたすばらしいんです。

使い込むと良い味が出ると思います。

 

Q.話変わりますが、ブランドとまったく別のファッションや靴もセレクトショップでコラボしています。それはなんでですか?

 

服とか靴とかもやってますね

ファッションが好きですし、財布作りの話をするときも「あのファッションショー見た??〇〇がすごかったですよね?」みたいな最新のファッションの動向も話も理解できます。

 

セレクトショップのバイヤーさんとも細かいニュアンスが共有出来て、作ったときのイメージが違うケースが少なくて喜ばれています。

 

そんな中で、売れそうな値段を意識しないで一癖ある攻めてる良いものを作れてるのが良いのだと思います。

 

スーツ地等をつかってきれいなパターンでありながら、かなりオーバーサイズに仕上げたら即完売したりしてますね。

 

でも欲しいもの、楽しいものを作っていきたいのでたまに作るのがちょうど良いですねw

 

普段は一人でデザインしてるので、ファッションデザイナーと組んでデザインしたり、別分野のものつくり技術を知れたりして楽しいです。

数少ない世界に通用するデザイナーの一人である青木さんのモノ作りに、
これからも注目していきたいと思います