Magnuについて

Magnu 

パリコレにも参加するブランドでファッションデザイナーであった伊藤 卓哉氏が2007年に設立したBAGブランド。

ファッションで培った経験を活かし、オートクチュールのように紙の模型を持ち鏡の前に立って何度も修正や作り直しながらBAGを持つ人の「佇まい」が美しいデザインを信条としている。

机の上でも倒れないよう船上で使われていた倒れないマグカップのディテールを取り入れるなど日本の熟練の職人とタッグを組み、これまでのBAGブランドにはない繊細で美しいフォルムを生み出している

ひと目で上質なBAGとわかるシンプルながら力強いデザインは物を見る目がある知的な大人の印象を与えることでしょう

超一流の素材を贅沢に

Magnuは、フランスのエルメス社の傘下であるアノネイの最高級スムースカーフと独ペリンガー社のシュランケンカーフ(シュリンクカーフ)を使用しています。
きめ細やかな表情と柔らかいのに腰がある風合い、そして何より発色に魅せられました。
そして、カーフ(仔牛)なのに大きいのがボックスカーフの特徴です。
比較的大きなBagが作れる!…欧州のメゾンにない発想で、この素材を料理したい(鞄の事ですが…)とデザインに着手しました。
5代目の Ulrich Perlinger(ウルリッヒ・ペリンガー)社長は、もの静かで、優しく、自信に満ちた職人でした。

この上質なクウォリティの理由は、社長自らが、南独を含むのアルプス地方で原皮を一枚ずつ厳選して仕入れ、下処理や染色などの鞣しの工程に、『時間をかけて』皮から革に作り上げられるからです。

ドイツならではの高い環境への意識も持ち合わせていて、排水の処理にも”時間”をかけています。


しなやかで色落ちにも強いレザー

表面のシボは、熱を加えずに特殊な鞣し剤によってできる自然なシボです。皮はもともと自然の物なので、型押しされたシボとは違い、不規則で一枚の大きな革の中でも、場所によってシボが大きかったり深かったり、自然な表情を見せます。

シュランケンカーフの利点は、表面が弾力があり、曲げ伸ばし強い…比較的に丈夫な革だと言えます。

また、色落ちや退色にも強く、長く使えるBagに仕上げることができるのです。

短時間で鞣された革との違いは、表面にも内面にもその違いがあらわれ、長年使うと違いを感じてもらえます。

金具のストーリー『枝引き手・枝バックル』

幼い時に見た映画の中で子供の魔法使いが手に小枝を持ち『かぼちゃを馬車に変える魔法』の練習に失敗して、その” 枝が曲がってしまう” というシーンがありました。

実際には小枝を曲げると折れてしまいます。

その” 曲がってしまった小枝” を Magnu の金具にしよう!と思いつきました。

鉄よりも柔らかく仕上がる真鍮で『枝引き手』『枝バックル』を鋳造しました。

『Magnu Coin』

レザーと真鍮コインの組み合わせが気に入っています。
アクセントとして、また素材テクスチャーが引き立つ役目もあります。
大切な事を刻みました。

 “人を思う事” “言葉” そして“行い”

 

『金属の特性』

オリジナル金具 は、真鍮製。
 江戸時代に伝わった真鍮は、加工しやすく腐食に強いため建築物、家具、仏具に使われてきました。
真鍮の色(鈍いゴールド)は素材そのものの色。無垢の色です。
したがって” メッキが剥がれる” ことはありません。 また風合いは、鉄よりも柔らかく暖かいので手に優しい。

真鍮は、Magnu にとって大切な素材の一つです。

『金属の変色』

真鍮は、酸化して時間が経つと黒ずんでいきます。
Magnu では”無垢の素材の特性″である経年変化もある意味、” 豊かさ” だと思っています。
鞄本体の革も使い込むと柔らかくなり、またほころびも出てきます。

金具も含め、鞄全体が経年変化していきます。人と同じようにMagnu はそれも” 味” と捉えています。