ジャンヌレとコルビジェ
スイス、ジュネーブ出身の建築家、ピエール・ジャンヌレ。近代建築の巨匠と称されるコルビジェ(別名ル・コルビュジエ。本名・シャルル=エドゥアール・ジャンヌレ=グリ)は従弟にあたります
9歳年上のコルビジェを師と仰ぎ、1922年に二人でパリに建築事務所を設立した時のジャンヌレはまだ26歳。セーブル通りに構えた彼らのアトリエには、後にチームとして多くの作品をコラボレートしたフランス人建築家のシャルロット・ペリアンや、日本から渡仏していた建築家、前川國男、板倉準三も入所しました
コルビジェを最も良く理解するパートナー
実は建築について専門的な教育を受けたことのなかったコルビジェと、ジュネーブの美術学校で建築学を学んだジャンヌレは、この共同事務所時代に数々の建築作品、またリノベーションを手がけ、モダニズムに対する二人のイデオロギーもこの間に確立されていったと言われています。
建築家としての人生のほとんどの歳月をコルビジェとの共同作業に費やしたジャンヌレは、建築界のカリスマとしての眩しい光を放っていたコルビジェの傍で目立たないポジションに自らを置き、そのバックグラウンドでコルビジェを最も良く理解し、また技術的にも知識的にも優秀なパートナーとして、多くのプロジェクトに貢献しました。
オーセンティックなジャンヌレ
ジャンヌレが1950年代に手掛けたチャンディーガルの家具は、経年による老朽や破損、また不運な保管状態により、今日コンディションの良いものはオークションで非常に高価に取引されており、入手困難です。更にチャンディーガルのキャピトルコンプレックス*が2016年にユネスコ世界遺産に登録されて以来、インドから国外へ持ち出すことは禁止されています。ですが近年になって、インド国内に残るジャンヌレのレガシーを継承する工場で、チャンディーガルファニチャーの再現というプロジェクトが始まっています。
この動きはジャンヌレがデザインした家具を現代のファンに届けるだけではなく、更に次の世代へその技術を引き継いでいくという大切な役割も担っています。
ピエールジャンヌレ (1896 - 1967)
ピエールジャンヌレ の椅子は現在最も評価が上昇している作品として年々、希少価値が高まっております
しかしオリジナルは手編みの籐の劣化が激しく、耐久性の低いものや、機械で編んだものに差し替えてあったりして質感が悪いものがほとんど
一方でリプロダクトは20万以下の粗悪な商品もしくは60万以上でも現代の作りやディテールに変更されているものがほとんどで、オリジナルの素材、技法、ディテールを忠実に再現して、かつフルハンドの手編みの籐をきちんと修理対応しているのは貴重なコレクションです
特別な復刻モデルと”ポロサス”コラボ
ピエールジャンヌレのオリジナルは制作から70年ほど経ち、実用で使うには耐久性に問題がある個体も多く非常に状態の良いものは350万以上しています。
70〜90代のものもオリジナルとして売られていていますが、少し仕様が変わっていたり、バンブーの編み込みが機械だったりして壊れやすいものも多いです
今回の椅子は100年近く前のチークの古材を使用し、1950年当時の製法で作られた完全復刻版
クロコの下にあるバンブーのメッシュも手編みで丁寧に新しく編み込んだものなので耐久性も高く、張り替え対応できる特別仕様です
特別にご用意したクロコダイル”ポロサス”も柄のキメが細かく国内ではまず見かけない大きな個体を贅沢に2匹使用